カウンセリング
フラッシュ・テクニック(the flash technique)研究論文
フラッシュテクニックは、第二世代のEMDRとも言われ、クライエントが過去の嫌な記憶をできるだけ想起せずに不快な記憶を処理する方法として開発されています。特に記憶にアクセスすると解離してしまうクライエント、感情的に圧倒されてしまうクライエント、記憶を尋ねることに抵抗があるクライエントなどにすすめられる方法です。EMDRにはないフラッシュテクニック独自の方法として、目の瞬きがあります。両側性刺激(タッピングや眼球運動)をおこないながら必要に応じて瞬きを実施します。この効果についてはまだ不明な点が多いかと思いますが、推測されるのは、瞬きによって潜在的な不快な記憶が意識することなく想起されている可能性があります。このことによってクライエントは不快な体験をあまり想起することなく嫌な記憶を処理することができると考えられます。しかしまだこの考え方は推測に過ぎません。フラッシュテクニックは比較的最近開発されたものであるためにあまり多くの論文はありませんが、開発者が書いた論文について簡単に紹介していこうと思います。
EMDR療法における フ ラ ッ シュ テク ニ ッ ク の使用: 4つの事例
この論文では、四ケースの経過が報告されています。男性2人、女性1人、子供1人の4ケースです。いずれもSUD(自覚的障害尺度)が0となっており、フォローアップでもその状態が維持されていました。
文の中では、他の臨床家が実施した200ケースの結果が非公式で収集されていて、その中で悪い報告はなかったとのことでした。
この論文では、さらにEMDRを実施している臨床家においても学習のしやすさが報告されています。EMDRの臨床家のうち少なくとも20分の指導を受け、3本の短いビデオによる技法の実演をみた臨床家は、全員がFTで何らかの肯定的な結果があったと報告しています。