禁煙
禁煙セラピー 渇望を言語化・記述化する
依存症の自助グループとしてAAやダルクなどは大変有名です。基本的には12ステップによってすすめられています。ニックネームで名前を呼びあい、それぞれが今思っていることを話したり、あるいは他の参加者の話を聴いたりすることが基本です。このシンプルな方法ですが、このグループに参加することによって断酒や断薬を成功している人を多く知っています。このシンプルな方法がなぜ効果的なのかうまく説明がつかないのですが、いろいろと複合的な要素があるように思えます。グループに参加してみると、参加者の中には、ビールが飲みたいとか、薬を使いたかったけどなんとかのりきったといった、渇望に対する内容が多くみられます。このことはとても重要で、言語化することによって渇望という感情が観察されたものになります。また同時に参加者にとっても他者によって対象化された、渇望内容を自分のプロセスと対比することになるので、これもひとつの対象化が生じているのかと思います。渇望を対象することによって、そこに対処するという余地が生まれますので、コントロールを強化することになります。グループに参加しにくい方も多くいらっしゃるかと思いますので、そうした方には日記をおすすめしています。渇望を記述してみることで、対象化が強まっていきます。グループのように他者の体験を取り込むことはできませんが、比較的に取り組みやすいものです。禁煙セラピーの中核メソッドは喫煙の無価値化にあります。したがって我慢するものではりません。ただし無価値化するするには、無価値化する対象がないといけません。渇望が生じたときにその価値を問う余裕と知識が必要となります。禁煙セラピーでうまくいかなった場合に、まずは渇望に関連することを言語化や記述化することをおすすめしています。