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セルフコンパションにおけるセルフカインドネス(Self-Kindess)と自尊感情(Self-Esteem)に違い

セルフコンパッション(self-compassion)における「自尊感情(self-esteem)」と「セルフカインドネス(self-kindness)」は、自己に対する態度や自己評価に関係しますが、その性質や影響の仕方に大きな違いがあります。


自尊感情(Self-Esteem)とは?

  • 定義:自分の価値や能力に対する肯定的な評価(「自分は有能だ」「自分には価値がある」と感じること)。

  • 特徴

    • 他者との比較に基づくことが多い(例:「他の人よりも上手くできたから自信がある」)。

    • 成功や評価によって上下しやすい。

    • 高すぎると、ナルシシズムや他者の失敗を喜ぶ傾向(「自己高揚の罠」)が出ることも。

  • メリット:自信や達成感の源になる。

  • リスク:失敗や批判で崩れやすい、条件付きの価値観になりやすい。


セルフカインドネス(Self-Kindness)とは?

  • 定義:失敗や苦しみがあるときに、自分自身に思いやりや優しさを向ける態度(「こんなこともあるよ、仕方ないよ」と自分に言ってあげられること)。

  • 特徴

    • 条件に左右されない無条件の自己受容。

    • 他者との比較を必要としない。

    • 自分を叱る代わりに励まし、いたわる。

  • メリット:ストレス耐性が上がり、抑うつや不安が減る。持続的な自己肯定感につながる。


違いのまとめ

項目    自尊感情(Self-Esteem)    セルフカインドネス(Self-Kindness)
価値の源    成功・能力・他者との比較    自己への優しさ・無条件の受容
安定性    不安定(上下しやすい)    安定している(失敗しても維持)
自己評価    自分が「良い」かどうか    自分が「苦しんでいること」にどう接するか
他者との関係    優越や競争を招くことも    他者との共感を深めやすい

なぜセルフカインドネスが大切か?

クリスティン・ネフ博士(セルフコンパッションの研究者)は、「セルフカインドネスは、自尊感情に代わる健康的な自己との関係を築く方法」であると述べています。つまり、「私は価値があるから大丈夫」ではなく、「たとえ価値を感じられなくても、自分を大切にしていい」という考え方です。


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