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カウンセリング

グループにおけるトラウマとストレス軽減のためのAIP ベースの逆境専門介入プログラム: エチオピアでのパイロット スタディ EMDR フラッシュテクニック

AIP-based Professional Intervention Program for Adversity for trauma and stress reduction in groups: a pilot study in Ethiopia

(オープンソース)

参加者

エチオピアで2年間(2020〜2022年)の戦争下で生活していた人220人を対象。彼らは極度の食糧不足、医療の欠如、通信サーピス受けることができない状況、身体的負傷、家族や友人の喪失、深刻なトラウマを経験あるいは目撃、避難体験、レイプまたは負傷した知人に関する情報などを報告しています。その中には紛争に直接参加した人も含まれていました。

実施内容

PIPAプログラム

EMDR (眼球運動による脱感作および再処理) 療法とAIP モデルの原理を基に、PIPA (Professional Intervention Program for Adversity) は、負荷の小さいグループエクササイズを統合し、グループセラピーの包括的な介入として開発されました。PIPAプログラムは、安定化、リソースの確保、脱感作、再処理、自己と将来に関する信念の形成など、EMDR 療法のさまざまな側面を1つのまとまりのあるプログラムに統合します。プログラムの内容には、自己制御エクササイズ、命の柱エクササイズ(Pillars of Life)、フラッシュテクニック(Flash Technique)、および クアドラントエクササイズにより構成されています。

手順

PIPAプログラムは2〜3日間で実施されました。参加希望者は集会所に集まり、PIPAのリーダーが地元の心理士や医療専門家にサポートツールを提供しました。地元のサポーターはサポートチームのヘルパーとして活動をおこないました。グループプログラムの1日目は腹式呼吸や漸進的筋弛緩法といったリラクゼーション、グループの信頼関係の構築や心理教育に重点を置く内容、Pillars of Life(生命の柱)エクササイズは2日間プログラムでは1日目に、3日間プログラムでは2日目に実施しました。生命の柱エクササイズはポジティブな体験や身体感覚に意識しながら両側性刺激をしていく方法です。

クラドラントエクササイズは紙を四つに分けて、現在の辛さを色鉛筆等で描き、両側性刺激を加えながら、気持ちや身体の変化に着目し残りの3つのブロッックに気持ちや身体間隔の変化を描いていきます。最後に将来のビジョンを想像し、裏面にイメージされた内容を描いていく内容となっています。その都度SUDSが測定されます。

フラッシュテクニックでは参加者には、以前の辛い記憶のつながりではなく、ポジティブな体験(例えば、好きな食べ物を食べた時、美しい夕日を眺める、大好きな服を着たとき、旅行した時のことを思い出すなど)を求めていき、それを想起しながら両側性刺激(タッピング)をしていきます。その体験(PEF:Positive Engagement Focus)がしっくりこない場合は別のPEFを自由に変更することができようにした。タッピング中、適宜、瞬きをしていき主観的不快感を確認していきます。

参加者は初日(心理療法実施前)と最終日(心理療法実施後)にPCL-5(PTSD Checklistは診断基準に対応した質問項⽬で構成される⾃⼰記⼊式の質問紙でありDSM-5 対応版です。PCL-5 を⽤いることで、PTSD 症状の程度を測定)、ACE(子供時代における有害な体験(虐待や家族問題等)の程度を測定する質問紙)を治療実施前に測定しました。またSUDS(主観的苦痛単位尺度)をQuadrantsエクササイズ及びフラッシュテクニック実施時に確認をしていきました。

結果

PCL-5スコア 治療前 人数 治療後 人数
0~20 17 107
21~32 44 45
33以上 127 36

※PCL-5スコアが33以上であればPTSDと診断される可能性が高い

治療後では PCL-5のスコアが大きく減少していることがわかります。PCL-5の治療前平均スコアは38.58であったが、治療後は20.59と減少した。ACEはトラウマとなる出来事の報告ついては平均2.11であった。SUDSはフラッシュテクニック1回目で7以上減少した。クラドラントエクササイズでも大きな減少が測定された。フラッシュテクニック2回目ではSUDSは大きく減少されたままを維持することがわかった。

  治療前 治療後
フラッシュテクニック1(SUDS)

N=197

8.523 1.264
クアドラント(SUDS)

N=193

8.42 1.611
フラッシュテクニック2(SUDS)

N=188

0.154 0.346
PCL-5

N=188

38.58 20.59

 

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