ブログBlog

ブログ | E-Life カウンセリングセンター

禁煙

禁煙直後の渇望について

依存症では乗り越えないといけない山がいくつかありますが、最初の壁しては身体的な離脱症状があります。禁煙初期ではとにかくイライラすることが多いのではないでしょうか。イライラするので、どうしてもタバコが欲しいという思いに囚われてしまいます。こうしたイライラに対してどのように対応すればよいでしょうか。依存症の特徴としては禁止しようとすればするほど、その思いは強まってしまうという傾向があります。いわゆる「我慢」はスマートな戦略ではないということです。我慢は喪失感によるものです。あったものがないわけですから、懸命に取り戻そうとするのが人間の性でもあります。
 話はかわりますが、数年前に私はピロリ菌が胃にいることが判明して、除去することにしました。医師からはある程度の説明を受けていましたが、副作用があると言われました。でも問題なければ2週間その薬を飲み続けてくださいということでした。飲んでみたところ、腕の色が紫になって、疱疹がたくさん出てきました。医師にも途中で相談しましたが、様子見ということでした。とても不安でしたが、ピロリ菌が除去されるのであればそれはいたしかたないとも思っていました。治療をやめようとも思いませんでしたし、無事、ピロリ菌は除去できましたし、肌ももとに戻りました。
 話を戻しますが、タバコを吸わせるような菌は存在していません。しかし禁煙セラピーでは概念としてイライラ感をつくりだすものを「ニコチンモンスター」と称して対象化しています。禁煙初期にはどうしてもイライラが強いものですが、そのイライラを「もう吸えないんだ」と喪失感として捉えると苦痛がましてきます。こうした捉え方ではうまくいかないことが少なくありません。例外はあるかもしれませんが、かなり苦痛を伴う思考です。こうした場合はむしろ、「ニコチンモンスターが除去されつつあるんだ、1週間程度で死滅してしまうんだ」と考えた方が、気分は前向きで建設的なものになります。ピロリ菌の除去のように肌は荒れることななく、禁煙の経過とともに、肌つやはよくなり、食欲もましてくるでしょう。禁煙の初期の禁断症状にたいするこころの持ちようとは上記のような思考をおすすめしたいのです。さまざま依存症の方と関わってきましたが、タバコの禁断症状はあまり強くありません。その証拠に、禁断症状で眠りから醒めるということはあまりないはずです。眠りを妨げるのほどの強さがない程度の禁断症状と理解しましょう。中には禁煙すると頭がおかしくなってしまうのではないかと思う人も少なくありません。もしそうだとすると朝、目覚めたときは相当まずい状態になっているはずです。そんなことはありませんね。身体離脱は数週間で終わります。個人差がありますが、多くの方は1週間程度のようです。ぜひ恐れずに禁煙に取り組んでみることをおすすめします。

E-Lifeカウンセリングセンター