禁煙
侵入思考
依存症だけではなく、鬱や不安症、PTSDには侵入思考という厄介な現象があります。自分に意図に反してさまざまな思考が想起されます。依存症の場合は侵入した思考が渇望へとつながります。どういった思考かというと、タバコを吸ってすっきりしたというエピソードや身体感覚、喫煙していたときのかっこいい自分のいったものですが、個人の体験によってさまざまです。こうした侵入思考が生じる場面とすると、暇な時やストレスのかかった時です。こうした期間は日常でどうしても生じてしまうので、結果として再喫煙する際に多いのは上記の場面になります。したがって禁煙を志す場合に、この侵入思考の対策が必要となります。もっとも避けてほしいやり方は、侵入思考を抑制することです。これはあまりうまくいきません。侵入思考を抑えようとしても、抑えるものを想起しなければならず、かえっていろいろな記憶が連想されるようになります。また抑制すること自体がストレスにもなるので、逆効果となる可能性が高いといえます。禁煙セラピーでは、こうした侵入思考が生じた場合には、我慢ではなく、健康になった自分や奴隷から解放された自分を想像してもらうようにしています。そうすることで侵入思考を中和させます。喫煙衝動は否定的な自己を意識した時にも生じますので、禁煙を希望される方にはおすすめしたい方法のひとつです。最近ではマインドフルネス療法がよく取り上げられますが、侵入思考には瞑想などの取り組みが結果に寄与する可能性があります。禁煙では侵入思考によって渇望が生じた際に瞑想をすることによって渇望の強度が減っていくという体験が重要です。また侵入思考が生じたときにとれに囚われるのではく、それを観察状態におくという点も重要です。このような実践によって、禁煙の苦痛を軽減するだけではなく、逆に楽しむことができるようになるとよいと思います。
E-Lifeカウンセリングセンター