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ブログ | 広島のカウンセリング・心理療法 E-Life カウンセリングセンター

禁煙

禁煙セラピーの効果検証比較

 禁煙セラピーの成功率は実際はどれくらいなのか。禁煙セラピーの書籍では以前、本の帯に成功率90%と記載されていましたが、さすがにそれは誇大広告のように思います。今ではあまり見なくなりました。しかしアレンカーは90%以上成功するといっていましたし、セラピストの養成にもそれくらいの成功率を求めていましたので、実感としてあったのだと思います。ただこれは想像ですが、3カ月くらいの短期間であれば、これに近い成功率はあるかもしれないということです。さすがに6カ月や1年となるとこのような数値にはならないでしょう。では実際にはどれくらいの成功率なのかというとあまり多くの研究はありません。近い研究では英国のロンドン・サウスバンク大学(LSBU)の嗜癖行動研究センター(Centre for Addictive Behaviours Research、CABR)とロンドン大学セントジョージ校の協同研究があります(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/add.14897)。この研究ではアレンカーの禁煙セラピー(4.5~6時間)のグループセッション(平均人数8.95人)と英国が実施している禁煙支援サービス(SSS)との比較しました。SSSはニコチンパッチなどの代替え法や薬物治療をメインとしています。比較はランダム化比較試験です。禁煙セラピーには失敗した場合に2回の追加セッションの機会が与えられるのですが、この研究ではその記述が見当たらないので、おそらく1回のセッションと考えられます。割り振りは310人ずつです。5本以下が成功とみなされます。26週後の結果ですが・・・禁煙セラピーの成功者は60人/310人:成功率19.4%でした。SSS療法はというと46人/310人:成功率 14.8%で禁煙セラピーの方がややよい成績となりました。検査に協力した人の中には連絡がとれない人も多く、こちらの人については失敗とみなされていますが、実際には不明です。19.4%は低い値とみえるかもしれませんが、何の副作用もないセラピーの方が効果がよいという点は興味深いものです。SSSはチャンピックスや電子タバコを使用できるようになっています。また治療参加開始率は禁煙セラピーは83%に対してSSS療法は69%と有意に禁煙セラピーが高くなっています。理由はよくわかりませんが、副作用のない不思議な効果を期待していたのかもしれません。

 Allen Carr’s Easywayのジョン・ダイシー・グローバル最高経営責任者(CEO)は次のようにコメントしている。「当プログラムの成績が初めて1つではなく2つの臨床試験で発表された今日は、画期的な日だ。錠剤や服用薬、パッチではなく、会話法であることが、「禁煙セラピー」の臨床試験による評価に制限を加え「現実世界」での成功率を大幅に過小評価していることに疑いの余地はない。とは言え、そうした制限された環境下でも、この方法が少なくともNHS、地方保健当局、世界各国政府の保健部門で現在、提供されている薬やニコチンベースのプログラムと比べて同等か、それを上回る効果があると認められたことをうれしく思う」

これだけしっかりとした研究はないので、私としてはこれからの励みとなる研究でした。

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