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ブログ | 心の傷を癒す新しい選択肢。オンラインで手軽に。EMDRとフラッシュテクニック ソマティックエクスペリエンシング

心理検査

メンタルの調子を客観的に把握すること

職場の人間関係や、重なるプロジェクト、あるいは将来への漠然とした不安。カウンセラーとして多くの働く方々とお会いしていると、皆さんが「自分が弱いから、仕事が手につかないんだ」と、ご自身を責めてしまっている場面に何度も立ち会います。

でも、そうした主観的な「自己評価」だけで自分を追い詰めてしまうのは、少しもったいないことだと思うのです。今、あなたに必要なのは、根性論や励ましではなく、現在のコンディションを「働く環境」という文脈の中で捉え直すための客観的なデータです。

私たちがMMPI-3のような精密なアセスメントをご提案するのは、それがあなたの「職業生活における現在地」を、職場の評価や自分の思い込みから切り離して、中立に示してくれるからです。

これは、星占いや性格タイプ診断のような、誰にでも当てはまるような言葉を並べて安心させる「占い」ではありません。過去数十年にわたる膨大な臨床データと、統計学的な厳密さに基づいた、いわば「心の精密検査」です。

例えば、仕事でミスが続いているとき、本人は「集中力がない」と自分を責めます。しかし、データを見てみると、実は「抑うつ的な気分」よりも「睡眠障害による認知機能の低下」や「過度な身体的緊張」が、エラーの真の原因であると判明することがあります。あるいは、あなた自身の性格の問題ではなく、現在の「対人関係への過敏さ」が、職場の特定の状況下でアラートを出しているだけかもしれません。

こうしたことが数値として可視化されると、対処法はガラリと変わります。

「もっと頑張らなきゃ」ではなく、「今は脳の処理速度が落ちている状態だから、業務量を調整する交渉が必要だ」とか、「この思考パターンが出やすいときは、一旦席を外して深呼吸をしよう」といった、具体的で実効性のある「戦略」を立てられるようになるのです。

データを持つことは、会社という組織の中で自分を守るための「武装」でもあります。

自分の状態を「なんとなく辛い」という言葉でしか説明できないと、周囲もどう助けていいか分かりません。しかし、客観的な指標を背景に「今の自分は、統計的に見てこれほどの負荷がかかっている状態だ」と自分自身で理解できていれば、より冷静に、そして合理的に、自分の環境を整えるための判断が下せるようになります。

心理療法家として私が大切にしているのは、この冷たく見える数値の裏側にある、あなたの「適応しようとする努力」を読み取ることです。

高い数値が出ている箇所は、それだけあなたがその部分で無理をして、必死に周囲に合わせようとしてきた証拠かもしれません。データはあなたを裁くためのものではなく、あなたがこれまでどれほど過酷な環境を生き抜いてきたかを証明する「記録」なのです。

今のあなたの苦しさを、単なる「個人の悩み」で終わらせないために。まずは、統計学という客観的な視点を取り入れて、あなたの状態をプロフェッショナルな視点から整理してみませんか。

そのデータをもとに、明日からの仕事が少しでもラクになるような、あなただけの「心の運用マニュアル」を一緒に作っていければと思っています。

E-Lifeカウンセリングセンター