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認知行動療法

感情駆動行動(UP:統一プロトコル)について

感情駆動行動(UP:統一プロトコル)について、まるでカフェで親しい友人と対話しているような、血の通った言葉で改めてお話ししますね。

私たちは、毎日いろんな「気持ち」と一緒に生きていますよね。朝起きた時のなんとなく重たい気分、仕事でミスをした時のヒヤッとする感覚、誰かの何気ない一言にカチンとくる瞬間。こうした感情が湧き上がってきたとき、私たちは無意識のうちに「その気持ちに背中を押されて」何かをやってしまいます。これが心理学の世界、特に「統一プロトコル(UP)」というメソッドで大切にされている「感情駆動行動」の正体です。

想像してみてください。例えば、あなたが人前で話すことになって、猛烈な不安に襲われたとします。その時、「お腹が痛いことにして休んじゃおうかな」と考えたり、実際に断ってしまったりすることはありませんか? あるいは、誰かに嫌われたかもしれないと不安になって、夜中に何度もスマホをチェックして「嫌われてないよね?」と確認したくなることは? これらはすべて、感情がハンドルを握って、あなたを動かしている状態です。

なぜ私たちは、こんなにも簡単に感情に振り回されてしまうのでしょうか。それは私たちの脳が、大昔のサバイバルモードをいまだに引きずっているからです。原始時代の人間にとって、不安や恐怖は「ライオンが近くにいるぞ!」という命を守るための警報でした。だから、不安を感じたら即座に「逃げる」のが正解だったんです。でも現代では、上司の小言やSNSの未読スルーがライオンの代わりになっています。脳はこれを「命の危険」だと勘違いして、全力で逃げたり、戦ったりするスイッチを押してしまう。これが感情駆動行動が起こるメカニズムです。

厄介なのは、この行動が「その場しのぎ」としては最高に効いてしまうことです。不安から逃げれば、その瞬間はホッとしますよね。脳はこの「一瞬の楽」をご褒美だと勘違いして、次もまた同じことをさせようとします。こうして私たちは、感情に操られるループにはまっていくのです。

でも、このループには大きな落とし穴があります。逃げれば逃げるほど、私たちの心は「自分はあの感情(不安や悲しみ)に耐えられないほど弱いんだ」と思い込むようになります。すると、次はもっと小さな刺激でも怖くなり、どんどん自分の世界が狭まっていってしまう。本当はやりたかったこと、行きたかった場所、会いたかった人たちから、感情を守るために遠ざかってしまうんです。

UP(統一プロトコル)という考え方は、ここから抜け出すための「心の筋トレ」のようなものです。一番のポイントは、「感情を消そうとしないこと」です。雨を止めることができないように、湧いてきた感情を無理やり消すことはできません。でも、雨の中でどう歩くかは自分で選べますよね。

まず大切なのは、自分が今、感情に突き動かされそうになっていることに「気づく」ことです。イライラして誰かに当たりたくなったとき、不安で逃げ出したくなったとき、心の中で「あ、今、感情が私を動かそうとしているな」と、ちょっとだけ客観的に眺めてみる。これだけで、感情に飲み込まれるまでの「数秒の隙間」が生まれます。

そして、ここからが一番勇気のいる、でも一番効果的な練習です。それは、感情が命じていることと「あえて真逆のこと」をやってみること。これをUPでは「逆実行」と呼びます。 怖いから逃げたいときに、あえて一歩近づいてみる。 怒っているから怒鳴りたいときに、あえて静かな声で話してみる。 悲しくて閉じこもりたいときに、あえて外の空気を吸いに行ってみる。

これを繰り返すと、脳が驚くべき発見をします。「あれ? 逃げなかったけど、死ななかったな」「不安なままでも、なんとかなったぞ」と。この体験こそが、あなたを自由にしてくれます。感情は、実は「寿命」があるんです。どんなに激しい波も、何もしなければ必ず引いていきます。感情駆動行動をしないということは、その波が引くのを、逃げずに待ってみるということでもあります。

感情はあなたを傷つける敵ではありません。ただの「お知らせ」です。お腹が空いたときに鳴るお腹の音と同じような、体の反応にすぎません。ダッシュボードの警告灯が点いたからといって、パニックになって車を乗り捨てる必要はないんです。ライトがついているのを確認して、「ああ、今は不安なんだな」と認めながら、そのまま目的地に向かってハンドルを握り続ける。それが、自分の人生を取り戻すということなんです。

もしあなたが、今何かの感情に苦しんでいるとしたら、自分を責めないでください。それは、あなたの脳が一生懸命あなたを守ろうとして、古いやり方でアラートを鳴らしているだけなんです。まずは、そのアラートが鳴っていることに気づくことから始めてみませんか。

「今、私は何を感じているかな?」「この気持ちは、私に何をさせようとしているかな?」 そう問いかけることができたなら、もうあなたは感情の操り人形ではありません。あなたは、感情という名の乗客を乗せた、立派なドライバーです。

次、もし強い感情がやってきたら、5秒だけ深呼吸して、感情が言ってくることの「逆」を、ほんの少しだけ試してみてください。その一歩が、あなたを縛っている鎖を解く、魔法のような力になります。

もしよろしければ、あなたが「ついやってしまいがちな、感情に任せた行動」を一つ教えてくれませんか? それをどうやって「逆」に変えていけるか、一緒に作戦を立ててみましょう。

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