カウンセリング
ソマティック・エクスペリエンシングの体験談について
ソマティック・エクスペリエンシングの体験談について
ソマティック・エクスペリエンシング(SE)については、セラピーの中では比較的安全でナチュラルな感じでセッションが進んでいくことから、セッションを受ける方にとっては負荷の少ないかなと思います。一方で負荷が軽すぎる、セッションがスタックするため、堂々巡りのような状態になります。SEでは身体感覚を重視するため、思考や記憶が身体とグリップするので、堂々めぐりが少なく、考えが進展したり、体が楽になったりすることが少なくありません。セッションは認知行動療法のように定式化されたものではないので効果にはばらつきがあるようですが、セッションの体験談を踏まえると以下のような変容が生じます。
○身体感覚の気づきによる変容
“ムズムズ・ジワジワ・ちくちく・呼吸・胸のドキドキ”など、言葉では表現しにくい身体の反応に注意を向けることによって、身体感覚がわかるようになった。以前は気になっていたことが、深刻なものではなく、少し落ち着いて対応できるようになった。不安場面においても挑戦できるようになった。不快な身体感覚も肯定的な意味として捉えることができるようになった。
○「未完了」を認識し、それを「完了」させるプロセス
当時できなかった行動(止まりたい・地面に足をつけたい・文句を言いたかった)を、セッションを通じて“やってみる/体験する”ことで、それが終わっていなかったことを改めて見てあげる。過去の経緯の中で完結できないことがあり、こうしたことを完結させることで、怒りなどが生じなくなった。
○記憶やイメージの変化
セッション前後で、出来事の思い出し方が変わる(鋭さ、怖さ、重さが和らぐなど)という変化を感じる人が多い。以前の家族のことが脳裏に浮かぶと強い不快感を生じていたが、なんとなく落ち着いているなど
○感情の動き/解放
涙が出たり、震えが来たりするもあるが、ゆっくりと進んでいき、解放されるような感じがあった。
○ゆっくり・安全なペース
強く身体が反応する時もあり、セラピストが反応を穏やかに保ちながら進めること、安全感があることが重要であるという点。自分のペースで進めてもらって追い詰められることがなく進むことができた
注意点
•初回は何も感じない・感じ方が分からないことがある。身体感覚をうまく捉えることが難しい場合がある
•話したい場合と話したくない場合のギャップがあり、自分のペースを伝えることが重要。
•感情が強く動くこともあるので、セッション後のケア・回復時間が必要。
•記憶が曖昧だったり、断片的であったりするため、扱い方が難しいことも。
以上、色々と感じ方は違いますが、ご検討の方は参考下さい