カウンセリング
不安症と「制止学習」のやり方
- 制止学習ってなに?
不安をなくす練習ではなく、
「不安はあっても大丈夫」
「予想したほど悪いことは起こらない」
という体験を重ねていく方法です。
不安や怖さは脳の中に残りますが、その上に「安心できる新しい記憶」を積み重ねていくイメージです。
- 基本の流れ
(1) まず準備する
- 自分が不安を感じる場面を書き出します(例:人前で話す、電車に乗る、手を洗わずに過ごす…)。
- 「弱い不安から始める」よりも、あえて強い不安に挑戦したり、順番をランダムに変えることも効果的です。
(2) 実際に体験する(曝露)
- 不安を避けずに、あえてその場面に身を置きます。
- 目的は「不安を消すこと」ではなく、「予想と違った体験をすること」。
(3) ポイントになる工夫
- 予想外を体験する:「失神すると思ったけどしなかった」など。
- いろんな場面で試す:家だけでなく、外でも。
- 不安が残っていてもOKで終える:不安がゼロになるまで粘らない。
- あえて不確かさを受け入れる:「絶対大丈夫」と言い聞かせず、「どうなるかわからないけどやってみよう」と挑戦する。
(4) 振り返り
- 「思ったより大丈夫だった」
- 「不安はあったけど乗り切れた」
- 「予想は外れることもある」
こうした気づきを記録して、新しい安心の記憶を育てます。
- 具体例
たとえば「電車に乗るのが怖い」人なら…
- 予想:「電車に乗ったら息ができなくなって倒れる」
- 行動:実際に電車に乗る
- 結果:「息苦しくなったけど倒れなかった」
- 学び:「不安があっても、本当に危険になるわけじゃない」
- 気をつけたいこと
- 制止学習は「不安をなくす」訓練ではありません。
- 「不安があっても大丈夫」という体験を少しずつ積み重ねることが大切です