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ブログ | 心の傷を癒す新しい選択肢。オンラインで手軽に。EMDRとフラッシュテクニック ソマティックエクスペリエンシング

カウンセリング

フラッシュテクニックの効果のメカニズム(主な仮説)

フラッシュテクニック(Flash Technique)は、特にトラウマ記憶の処理に効果的とされる短時間・低負荷な介入法です。その効果のメカニズムは完全には解明されていませんが、現在の知見に基づいて以下のような仮説が立てられています。

 

注意の分割による安全性の確保

フラッシュテクニックでは、クライアントはトラウマ記憶を直接思い出さず、そのイメージに「軽く注意を向けるだけ」にとどめます。意識の中心ではポジティブなイメージ(安全な場所・好きな景色など)に集中しながら、「フラッシュ」と呼ばれる一瞬のまばたきや軽い視線移動を行います。

これにより、トラウマ記憶への過度な没入を防ぎ、安全な状態を保ちながら処理が進みやすくなると考えられています。

 

ワーキングメモリの負荷と記憶の弱化(EMDRに近い理論)

人間のワーキングメモリ(作業記憶)には容量に限界があります。ポジティブなイメージに集中しながら視線を動かすなどの作業を行うと、記憶の想起に必要なリソースが分散され、トラウマ記憶の情動的な鮮明さが低下するとされます。

これはEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)と似た原理で、記憶の再固定化時に感情強度が和らぐことで、過去の記憶が安全なものとして脳内で再保存される可能性があります。

 

無意識レベルでのトラウマ記憶の処理

フラッシュテクニックでは、クライアントがトラウマ記憶の内容を意識的に詳細に語る必要がないため、無意識の深いレベルで記憶が処理されるという仮説もあります。

これは、クライアントが防衛反応を起こしにくく、心理的抵抗が少ない状態でのトラウマ処理を可能にしていると考えられます。

 

安全感の強化による感情調整

ポジティブなイメージや感覚に意識を向けながら行うことで、安全感や肯定的な感情が優位になりやすく、これがトラウマ記憶と組み合わさることで、否定的な感情が和らぎやすくなるとされます。

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