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7.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 第6章「 感情を理解する2」ビッドH.バーロウ

第6章では感情を理解する -前後を観察するARC- です。
この章でのポイントは、感情を3要素に分けることです。3要素とは、 考え・ 身体感覚・ 行動です。 こういったところは、 認知行動療法のベースとなるところです。この章ではこの3要素の前後に 先行刺激と結果が加えられています。 この全てを加えて、感情アーク(ARC)としています。 先行刺激であるAは 感情が引き起こされる刺激のことを言います。この先行刺激は直近で起こる場合があります。例えば車が近づいてきたと言ったものから、もう少し手前の刺激、例えば昨日不快なメールが来たといったものまであります。この章では、 先行刺激が何であるかを見極めるのが重要です。例えば、パニック症であれば 人混み、狭い空間、カフェインなどが先行刺激になります。社交不安では発表、自己紹介、強迫症では汚れたものに触れること、ニュースで何か怖いものを見ること、うつ病では他の人が楽しんでいることを見ることなどが考えられます。 3要素の分析はこの個々の要素がどのように連動しあっているのかということです。 結果C については、反応の直後に短期的に起こること、同じような反応を続けたときに長期的に起こるだろうということも含まれています。 このようにARC の流れを知ることによって、どの点を改善していけばよいのかを検討していきます。
一般的に人間は、人生の中でいろいろなと経験し、そこから学び、次に活かしてきます。その基本ルールは、「良い結果をもたらした行動を繰り返し、悪い結果につながる状況を避ける」です。また人間には実際に体験する学習する能力に加えて、想像を膨らませ予測する能力があります。多くの場合、こういった予測は人生の役に立ちます。しかし逆の場合も考えられます。実際には危険がないにもかかわらず、危険を想像して回避をしているような場合です 。例えば 誰か知り合いとすれ違ったときに その人が悪い噂を撒き散らさられるのではないかと不安に思ってしまうような場合です。もしその人がそれを予測して、全く外に出れないとすれば、日常生活において 重大な支障を生じてしまうと言うことになります。 なぜそのようなことが起こるのでしょうか1つの理由として、その行動が状況にそぐわないにもかかわらず、感情に駆り立てられてしまうということが考えられます。この感情によって行動してしまうのです。
 このような行動パターンを認識することはとても重要です。 認識することによって、かえっていきやすくなるからです。