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【書評】自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著
自閉傾向のある方の場合に、人間関係の構築は難易度が高いものです。特にティーンエイジャーでは、だんだんと人間関係が複雑になるため悩みも増えます。ティーンエイジャーを主としたテキストはあまり多くないのが実情です。自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著は数少ない人間関係について、自閉症の特性をもつ著者によって書かれた貴重な内容となっています。10のルールをすすめています。自閉症ではパターン化されたものを理解する能力が高いことからこういう記載になっているかと思います。ひとつ目のルールとして「ルールは絶対ではない。状況と人によりけりである」です。テンプルによると柔軟な思考が非常に大事で、ルールのカテゴリーを4つにわけています。第一のカテゴリーは本当の悪。殺人、放火などです。第2のカテゴリーが礼儀のルール、いわゆるマナーの領域です。そして第3のカテゴリーが一概に悪とはいえない違反です。交通ルールでいうと速度制限などでしょうか。第4のカテゴリーは制度内の罪です。これは国や生活環境によって変わるルールです。
日常生活では第3、第4のルールはあまり生じにくいように思うので、優先するものはしては第1と2になるかと思いました。特に第2のルール、いわゆるマナーについては教えないと獲得しにくいのでティーンエイジャーにとっては非常に重要かと思います。