コラム
③「人はだれでも間違いを犯す。一度の失敗ですべてが台無しになるわけではない」【書評】自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著
3つめのルールは「人はだれでも間違いを犯す。一度の失敗ですべてが台無しになるわけではない」です。ショーンによると「完璧は練習の積み重ねから」というルールが頭の中から欠落していたといいます。したがって小さなミスでも取返しのつかない重大なミスであると感じてしまうところにあります。「失敗の重大性は、状況によって異なる」という定型発達の子どもがごく自然にもっている認識をあまり持ち合わせていないと記載されています。テンプルはこの点はあまり影響はなかったようで、視覚的で論理的な思考によって感情と経験との間にワンクッション置くことができたと記しています。こうしたことを考慮すると、前もって誰でも失敗はあるものと認識しておく方が合理的ともいえます。