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ブログ | E-Life カウンセリングセンター

コラム

自閉スペクトラム症の出生率と親の年齢の関係

自閉症の子どもは増えているんですか?という相談は非常に多く受ける質問です。これだけ話題になると、このような質問は当然かと思います。診断基準が何度か変わっているので、一層わかりにくくなりますし、発達障害の情報が多くなり、受診するご家族も増えているのも理由かもしれません。一方、北欧を中心に、親の年齢が高齢になると自閉症の出生率が高く、特に父親の年齢が高いとそれが顕著だという研究がいくつかありました。Sandiの研究ではスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、イスラエル、オーストラリアのそれぞれの研究をロジスティック回帰分析でまとめています。サンプルは30902例です。これによると、ASDのリスクが最も高かったのは、①母親の年齢に関係なく、父親が45歳以上、②父親が35~44歳で母親が10歳以上若い、③母親が30~39歳で父親が10歳以上若いというカップルでした。以前から言われているように、男性が高齢化すると自閉症の出生率が高くなるということを支持する内容となっていますが、年の差カップルでも出生率が高くなるのも興味深い内容となっています。高齢出産の傾向が高まれば、出生率は高くなると考えられますので、日本でも自閉症は多くなったといえると考えられます。原因としては遺伝子配列ではなくde novo変異やエピジェネティックスなどの影響により、自閉症の出生リスクが高まると言われています。農薬やメチル水銀の影響などを指摘する研究者もいますが、原因が早く究明されてしっかりとした対策をこうじる必要があると思います。