ブログBlog

ブログ | E-Life カウンセリングセンター

コラム

喫煙による3つの不安・恐怖

禁煙できない心理的要因はなんでしょうか。意志が弱いからでしょうか。私はそれは違うと思っています。依存症は依存行動を抑制しようとすればするほど渇望が生じるようになっているのです。とすれば、逆にいえばかなり意志の強い方だともいえます。タバコだけではなく依存症全般に言えると思うのですが、心理的要因として、やめにくくさせているのは意志の強弱ではなく「不安であり、恐怖」です。喫煙することによって今までになかった不安をいくつか生み出してしまいます。私はその不安・恐怖を3つに分類しています。一つは禁断症状への不安・恐怖です。最初の1本は微細なものですが、長く吸っていると、これがないと大変になると思うくらい大きなものになります。朝起きたときに1本あると思っていたタバコがないときにどう思うでしょうか。パニックになってしまう方もいるかもしれません。それほどタバコを切らしてしまうことに大きな不安と恐怖を生じさせるのです。禁煙しても数日で失敗してしまうのはこの不安・恐怖があるからです。こんなイライラが永遠に続くと思ってしまうのです。しかし実は長くて数週間です。短い方なら数日で終わってしまいます。初期段階で失敗している方はこの禁断症状の不安が実はたいしたことではなく、はるかに軽微なものであることを理解することが大切です。禁断症状の期間は数週間ですし、眠れるほどのものだと理解すると不安は軽減することでしょう。また禁断症状を得依存症という病気を消失させているのだという建設的な考えて取り組んでいくと、禁断症状は希望にみちたものになります。2つ目の不安・恐怖はタバコのメリットを失ってしまうという恐怖です。このメリットは人によってさまざまです。代表的なのはリラックスやストレス解消といったものです。このメリットは徹底的に潰しておく必要があります。これが残っていると、あるタイミングで再喫煙してしまいます。禁煙セラピーではこの点を徹底的に検討してもらいます。3つ目の不安・恐怖は死や病気についてです。これはタバコがもたらす害についてです。レントゲン検査やがん検診は恐怖の対象となります。検査することを恐れて、もっと悪いことになっている場合もあるかもしれません。しかしこうした恐怖を和らげるのがタバコと感じているのです。これでは本末転倒です。基本的に禁煙セラピーでターゲットにするのは1と2です。3はやめようと思っている方ならどなたも感じていることです。しかし1と2が存在するため、禁煙に踏み切れないか踏み切っても再喫煙してしまうのです。このことを理解するには多くの人は時間がかかります。しかしそれに気づくと簡単なほどにやめることができるのです。理由は簡単です。それは吸う理由がまったくないからです。喫煙の価値がなくなってしまえば渇望をおきず、喫煙動機も生じません。ぜひ先人たちが構築した禁煙方法を理解していただき、楽しいノンスモーカーライフを送ってほしいと願っています。ちなみに禁煙セラピーで失敗している方については、もしかすると書籍だけでは不安が軽減しなかったことが考えられます。あるいは禁煙にもまだメリットがあると感じていることがあるかもしれません。再チャレンジする方にはぜひ、以上のような内容を参考にしていただけると成功率が高くなると考えます。