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ブログ | 広島のカウンセリング・心理療法 E-Life カウンセリングセンター

禁煙

禁煙セラピーと消去

禁煙をスタートして数週間経つと、ニコチン依存からはほぼ離脱したことになります。ニコチンの排出は非常にはやく、見方を変えるとかなり有害だともいえます。30分で半分くらいのニコチンが排出されるので、1時間では1/4ということになります。そうなるとニコチンが欠乏しますので、喫煙したくなります。多くの人は1~1時間半くらいに1本くらいがちょうどいいペースかと思います。そうするとだいたい1箱弱が平均的な本数ではないでしょか。1日数本の喫煙者は多くいらっしゃいますが、かなり過酷です。忍耐を必要とするので、普通の喫煙者よりもストレスは多いように思います。本数を減らしたり、低タールのタバコ、あるいは加熱式タバコに移行する方も多くいらっしゃいますが、その悲劇として低タールタバコでは満足できず、結局本数が増えたり、加熱式タバコと紙タバコを併用するようになります。こうなると健康面では本末転倒ということになります。この方法は必要だと思う喫煙を抑制するストレスがあるので、今まで以上に喫煙を喜びと思うようになり、事態は悪化していきます。もっともこうした方法で、ある程度健康を維持している方もいらっしゃるので、すべてを否定するつもりはありません。ただこの方法の弊害のひとつに行動論でいう、「消去」が生じないということがあります。消去は渇望に対して報酬を与えなければ、渇望そのものが弱まるというプロセスです。多くは報酬があたえられなければすぐに消去は起こりますが、性欲や食欲といった原始的な欲求は一度や二度では消去は起こりません。喫煙は食後や性交の後にすることが多く、原始的な欲求にリンクしています。そうすると本数を減らしたからといって、喫煙の渇望は弱まるどころか強まってしまいます。
禁煙の厄介なところは以上の内容になります。一方で禁煙の成功者の中にはまったく喫煙したいと思わない人たちも多くいます。この成功者には2つのエッセンスがあると考えます。一つは渇望を何とか乗り越えて、消去がおこり、パブロフの条件付けから解放されたこと、そして、喫煙する理由が消失したことの2点です。禁煙セラピーで焦点が当たるのは後者です。認知行動療法では刺激と反応を重視することから前者となります。どちらも重要です。禁煙の初期段階では認知行動療法や薬物治療が合理的だともいえますが、長期的視点になると、そもそも喫煙する理由がまったくないということをしっかりと理解しておくと、禁煙による喪失感(リラックスすることができないなど)を生じず、我慢することなく禁煙生活をエンジョイすることができると考えます。