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ブログ | 広島のカウンセリング・心理療法 E-Life カウンセリングセンター

心理療法・カウンセリング

プロスペクト理論と依存症

プロスペクト理論は行動経済学で用いられる用語で、投資においてはよく用いられます。特に損切りや信用取引での運用で参考になることも多いようです。この理論の大まかな考えとしては、人は損失を出来るだけ回避する特性があるということです。この提唱者のカーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。経済と依存症ではまったく分野が異なりますが、依存の心性を考えると、この理論を応用することができます。
Wikipediaによると以下のような説明があります。

●質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。

  1. 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
  2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
  • 質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
  1. 選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
  2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額である。にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。

質問2も両者の期待値は-100万円と同額である。安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測される。しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を選ぶことが実証されている。

この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということである。

この理論を当てはめて考えることができるのはギャンブル依存です。ギャンブルをやったことのある人なら体験があるかと思いますが、損失を出すとどうしてもそれを取り戻そうとします。この感情こそが、ギャンブル業界を潤すものです。損失をだすとそれを回復させようとしますので、どんどんとお金を垂れ流していくことになります。今までこの台では大あたりしなかったので、そろそろ出るのではないかという何の根拠もない思考に入っていき
ます。私たちは損失を出したくない生き物です。株式では損切りのしにくさや信用取引で大きな損失を生じるのも、この理論で説明できるところが多いのです。

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