ブログBlog

ブログ | 広島のカウンセリング・心理療法 E-Life カウンセリングセンター

心理療法・カウンセリング

渇望を抑える3つのポイント

渇望(craving)は多くの依存症で対処・検討しなくてはならない現象です。渇望状態は薬物によってことなりますが、タバコの場合はイライラなどの身体的不快感が大きい要素となります。できることならこの渇望がおこらないようにしたいのですが、この渇望にも一定のメリットがあります。覚せい剤使用で実刑となり、受刑者となった方が出所してくると、刑務所内では渇望はあまり生じなかったと聞いたことが何度かあります。刑務所には覚せい剤を想起させる刺激があまりありませんので、渇望を生じにくいのだと考えられます。ここで問題なのは受刑者が自分の薬物依存は治ったと感じてしまうことです。例外的には刑務所内で薬物を使用していた人と一緒になって情報交換をした時には渇望が生じる可能性があります。受刑者の本当の治療は出所してからのスタートになりますが、本人にはそういった実感がありません。しかし仮出所が決まったときに渇望が生じます。薬を買える環境になる日が近いと思うことから、そのことを想起するだけで渇望が生じます。ただこのことを事前に知っていれば、渇望を生じたときに自分が依存症であることを認めることに役立つことが考えらえます。次のメリットは行動理論の文脈の中での消去です。これはある身体反応に対して報酬を与えないことによっておこります。これを続けることによって身体反応を弱めていくことができます。これには渇望を生じさせる必要があります。意図的に渇望を生じさせて報酬を与えないという治療上の方法論もありますが、かなり安全な状況でないと現実的ではありません。一般的には実生活では渇望が生じた場合でも対処できるようなスキルを獲得することが有効こと考えられます。このスキルを渇望が生じたときに用い、報酬(薬物を使用しない)を与えないようにすることを何度も繰り返すと、渇望そのものが弱まっていきます。最後の渇望を生じさせる強力な感情があります。それは喪失感です。禁煙セラピーでは喪失感を重視します。禁煙での失敗は我慢と喪失感によって不安が強く生じると考えられます。禁煙によってストレスの対処方法を失ったと考えることです。そうすると、そうするとストレス場面に遭遇すると渇望反応が生じることになります。同時にペットや家族の死といった強い喪失感が生じたときも高ストレスとなり、薬物の使用を想起したりすることになります。心理療法としてはこうした点を配慮し、こうした状況に対応できるようなエクササイズを実施しておくことが重要と考えられます。